バルデナフィルは本当に効く?EDに対する効果を解説
バルデナフィルについて、
「本当にEDに効くの?」
「飲めば勃起できるようになる?」
「10mgと20mgではどのくらい違う?」
「効かない人もいる?」
と疑問を持つ方もいるでしょう。
結論からいうと、バルデナフィルのED改善効果は、国内外のプラセボ対照臨床試験で確認されています。
2026年3月改訂の国内添付文書には、日本人を対象とした臨床試験で、バルデナフィル投与群ではプラセボ群と比べて「挿入の頻度」「勃起の維持」などが有意に改善したことが記載されています。糖尿病を有するED患者を対象とした国内試験でも、10mg・20mgの双方で勃起機能の有意な改善が確認されています。
ただし、
「飲めば誰でも必ず勃起する」
という薬ではありません。
バルデナフィルは性欲を高める薬ではなく、性的刺激によって起こる自然な勃起反応をサポートするPDE5阻害薬です。国内で承認されている効能は、満足な性行為に十分な勃起とその維持ができない「勃起不全」です。
この記事では、実際の臨床試験データをもとに、バルデナフィルのEDに対する効果をわかりやすく解説します。
バルデナフィルは本当にEDに効く?
はい。
バルデナフィルは、日本で勃起不全治療剤として承認されている医療用医薬品です。国内添付文書では、効能・効果を「満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない患者の勃起不全」としています。
実際の臨床試験では、
- 挿入できる頻度
- 挿入後に勃起を維持できる頻度
- IIEF(国際勃起機能スコア)
- 性交時の挿入成功
- 勃起の持続
などの指標を用いて効果が評価されています。
これらの試験で、バルデナフィルはプラセボよりも有意な改善を示しています。
国内臨床試験ではどのくらい改善した?
日本国内で行われた用量反応試験では、IIEF(International Index of Erectile Function:国際勃起機能スコア)の質問を使って、
「挿入できた頻度」
と、
「挿入後に勃起を維持できた頻度」
が評価されています。
評価は0~5点で行われ、5点は「毎回またはほぼ毎回」、1点は「全くない、またはほとんどない」に相当します。
「挿入の頻度」
試験結果は次の通りでした。
| グループ | 投与前 | 投与後 |
|---|---|---|
| プラセボ | 2.6 | 3.2 |
| バルデナフィル5mg | 2.9 | 4.1 |
| バルデナフィル10mg | 2.8 | 4.5 |
5mg・10mgともに、プラセボと比較して統計学的に有意な改善が認められています。
「勃起の維持」
さらに、「挿入後に勃起を維持できた頻度」については、
| グループ | 投与前 | 投与後 |
|---|---|---|
| プラセボ | 1.5 | 2.3 |
| バルデナフィル5mg | 1.6 | 3.5 |
| バルデナフィル10mg | 1.5 | 4.2 |
という結果でした。
ここでも5mg・10mgの双方がプラセボと比較して有意な改善を示しています。
つまり、国内臨床試験では単に「勃起したか」だけではなく、
挿入できること
+
挿入後に勃起を維持できること
の両方について改善が確認されています。
「勃起しやすくなる」だけではなく「維持」も重要
EDというと、
「そもそも勃起しない状態」
だけをイメージすることがあります。
しかし、国内で承認されているEDの定義には、十分な勃起だけでなくその維持ができない状態も含まれます。
たとえば、
- 勃起はするが硬さが十分ではない
- 挿入前に萎えてしまう
- 挿入できても途中で萎える
- 性交の最後まで勃起を維持できない
という状態もEDとして治療対象になる場合があります。
バルデナフィルの国内臨床試験で「挿入」と「勃起の維持」の両方が評価されているのは、このためです。
なぜバルデナフィルで勃起しやすくなる?
バルデナフィルはPDE5阻害薬です。
性的刺激を受けると、陰茎海綿体ではNO(一酸化窒素)を介してcGMPという物質が増えます。
cGMPは陰茎海綿体の平滑筋や関連する小動脈を弛緩させ、陰茎への血流を増やして勃起を起こす働きをします。
一方、PDE5はcGMPを分解する酵素です。
バルデナフィルはこのPDE5を阻害することでcGMP量を増加させ、勃起反応をサポートします。
簡単にすると、
性的刺激
↓
NOが放出される
↓
cGMPが増える
↓
陰茎海綿体が弛緩する
↓
血流が増える
↓
勃起する
という仕組みに対して、
バルデナフィル
↓
PDE5を阻害
↓
cGMPが分解されにくくなる
↓
勃起反応をサポート
という働きをします。
飲むだけで勃起するわけではない
バルデナフィルの効果を理解するうえで非常に重要なのが、
性的刺激が必要
という点です。
バルデナフィルは催淫剤でも性欲増進剤でもありません。国内添付文書にも、そのことが明記されています。
したがって、
「薬を飲んで1時間待ったのに、何も起こらない」
というだけでは、薬が効かなかったとは判断できません。
バルデナフィルは、服用すると強制的に勃起させる薬ではなく、性的刺激によって起こる生理的な勃起反応を増強する薬です。
糖尿病によるEDにも効果はある?
糖尿病はEDと関連する代表的な基礎疾患の一つですが、バルデナフィルについては糖尿病を有するED患者を対象とした国内臨床比較試験も行われています。
この試験ではIIEF勃起機能ドメインスコアが評価されました。
結果は、
| グループ | 投与前 | 投与後 |
|---|---|---|
| プラセボ | 13.7 | 16.3 |
| バルデナフィル10mg | 13.6 | 21.8 |
| バルデナフィル20mg | 13.9 | 22.9 |
でした。
10mg、20mgともにプラセボと比較して有意な改善が認められています。
さらに、この糖尿病患者を対象とした試験では、20mg群と10mg群との間にも統計学的な差が認められました。
ただし、この結果だけから、
「すべての人で20mgのほうが優れている」
と考えることはできません。
これは糖尿病を有するED患者を対象とした特定の臨床試験結果であり、国内添付文書でも通常の成人の開始用量は10mgです。10mgで十分な効果が得られず、忍容性が良好と判断された一定の患者について20mgへの増量が検討されます。
海外試験でもED改善効果が確認されている
北米で行われた第Ⅲ相臨床試験でも、バルデナフィルはプラセボより優れた結果を示しています。
10mg群では、
性交時の「挿入成功」
が投与後75.5%、
「勃起の持続」
が64.5%でした。
同じ試験のプラセボ群では、投与後の挿入成功が51.7%、勃起の持続が32.2%でした。いずれもバルデナフィル群で有意な改善が認められています。
ヨーロッパの第Ⅲ相試験でも、10mg群で挿入成功76.4%、勃起の持続61.6%となり、プラセボ群の45.3%、24.9%を上回りました。
ただし、これらの数字は臨床試験集団全体の結果であり、個々の患者に同じ確率で効果が現れることを保証する数字ではありません。
10mgで効かなければ20mgなら効く?
国内での通常成人の用量は、1回10mgを性行為の約1時間前です。
10mgで十分な効果が得られず、副作用などの忍容性が良好と医師が判断した器質性または混合型ED患者では20mgへ増量できます。
また、脊髄損傷を有するED患者を対象とした国内試験では、10mgで十分な効果が得られなかった患者のうち、忍容性が良好な症例を20mgへ増量したところ、勃起機能のさらなる改善が認められています。
ただし、
10mgで効かない
→ 自分で20mgを追加する
という飲み方はできません。
1日の投与は1回までで、次の服用まで24時間以上空ける必要があります。
バルデナフィルが効きにくい場合に考えられること
バルデナフィルには臨床的な有効性が確認されていますが、すべての患者で同じ効果が得られるわけではありません。
効果が十分に感じられない場合には、
- 性的刺激が十分でなかった
- 服用するタイミングが適切でなかった
- 食事条件の影響
- EDの原因や重症度
- 緊張や不安など心理的要因
- 基礎疾患
- 併用薬
- 用量が現在の状態に合っていない
など、複数の要因を検討する必要があります。
特にバルデナフィルは主にCYP3A4で代謝され、CYP3A4を誘導する薬では血中濃度が低下する可能性がある一方、阻害薬では血中濃度が上昇する場合があります。
そのため、効果が十分でないときに自己判断で服用量を増やすのではなく、医師に服用状況や併用薬を伝えて確認することが重要です。
「効いた」と判断するポイントは硬さだけではない
バルデナフィルの効果を、
「勃起した・しなかった」
の二択だけで評価する必要はありません。
臨床試験では、
- 挿入できたか
- 勃起を維持できたか
- 勃起機能全体が改善したか
という複数の項目で評価されています。
実際の使用でも、
以前より勃起しやすくなった
硬さが安定した
途中で萎えにくくなった
性交を最後まで行いやすくなった
などの変化を含めて評価することが大切です。
頭痛やほてりがないと「効いていない」?
そうとは限りません。
バルデナフィルでは、頭痛、ほてり、鼻閉、消化不良などの副作用が報告されていますが、副作用はED改善効果そのものではありません。国内添付文書では、頭痛11.7%、ほてり10.6%などが記載されています。
したがって、
「顔が赤くなったから効いている」
「頭痛がないから効いていない」
と判断する必要はありません。
効果は実際の勃起機能で判断します。
効果がないから追加でもう1錠飲んでもいい?
いいえ。
国内添付文書では、バルデナフィルは1日1回までで、投与間隔を24時間以上空けることとされています。
たとえば10mgを服用して1時間後に十分な効果を感じなかったとしても、その場でさらに10mgを追加して20mgにするような使用方法は避けてください。
20mgへの増量が適切かどうかは医師が判断します。
バルデナフィルが効くかどうかだけでなく安全性も重要
ED治療薬では、効果だけでなく安全に使用できるかを確認することが重要です。
バルデナフィルは、硝酸薬やNO供与薬との併用によって降圧作用が増強し、血圧が過度に低下する危険があるため併用禁忌です。リオシグアト、一部の抗不整脈薬、一部の強力なCYP3A4阻害薬などにも併用禁忌があります。
また、心血管系の状態によって性行為そのものが適さない患者では使用できません。
「効く薬かどうか」だけで選ぶのではなく、現在の病気や服用中の薬を確認して処方を受けることが必要です。
よくある質問
バルデナフィルは本当に勃起力を改善しますか?
国内外の臨床試験で、挿入の頻度、勃起の維持、IIEF勃起機能スコアなどについてプラセボより有意な改善が確認されています。
飲めば100%勃起しますか?
いいえ。すべての人に必ず効果が現れる薬ではありません。また、性的刺激が必要で、性欲を増加させる薬でもありません。
中折れにも効果がありますか?
バルデナフィルの承認されている対象には「十分な勃起の維持ができないED」も含まれます。臨床試験でも「挿入後に勃起を維持できるか」が評価され、改善が確認されています。
糖尿病によるEDでも効きますか?
糖尿病を有するED患者を対象とした国内試験で、10mg・20mgの双方がプラセボと比較してIIEF勃起機能スコアを有意に改善しています。
20mgのほうが絶対に効きますか?
そうとは限りません。糖尿病を有するED患者の国内試験では20mgと10mgの間に統計学的な差が認められましたが、これをすべての患者に一般化することはできません。国内の通常用量は10mgで、20mgへの増量は医師が効果と忍容性を確認して判断します。
まとめ|バルデナフィルのED改善効果は臨床試験で確認されている
バルデナフィルは、
「なんとなく効くと言われている薬」ではなく、EDに対する有効性が臨床試験で評価されたPDE5阻害薬です。
日本国内の臨床試験では、5mg・10mg投与群で「挿入の頻度」と「勃起の維持」がプラセボより有意に改善しました。糖尿病を有するED患者でも、10mg・20mgの双方で勃起機能の改善が確認されています。
海外第Ⅲ相試験でも、10mg群では挿入成功や勃起維持に関する指標がプラセボ群より有意に改善しています。
ただし、
バルデナフィル=飲めば必ず勃起する薬
ではありません。
性的刺激が必要であり、効果にはEDの原因や重症度、服用方法、基礎疾患、併用薬なども関係します。バルデナフィル自体は性欲増進剤ではありません。
国内での通常用量は10mgを性行為の約1時間前に服用し、1日1回、投与間隔は24時間以上です。10mgで効果が不十分な場合でも、自己判断で追加服用せず、20mgへの増量が適切か医師に相談することが重要です。
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